
こんにちは。
ここでは「あしたでんき」について解説します。
それって会社名?
いいえ、会社名は「TRENDE(トレンディ)株式会社」で、その会社が提供する電力小売りサービスが「あしたでんき」になります。
ふ~ん?安いの?
単価に関しては、あのLooopでんきより、0.4円安くなっています。もちろん基本料金0円です。
「あしたでんき」には「標準プラン」と「たっぷりプラン」がありますが、ここでは「60A契約」での「標準プラン」について解説していきます。
それではみていきましょう。
目次
あしたでんきの供給(東京電力)エリア

あしたでんきは、全国(沖縄を除く)の地域で電気の供給サービスを行っていますが、ここでの解説は、
「東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、群馬県、茨城県、山梨県、静岡県の富士川以東」
になります。
以前は東京電力だけが電気を供給していた地域になります。ですので、このエリアは東京電力エリア、東京電力管内、または、単に関東エリアといろいろな言われ方があります。
また、現在は東京電力から分社化した東京電力エナジーパートナーが電気の小売りする部門を担当しています。
後の説明で出てくる「燃料費調整額」に関係してくるので、「東京電力エリア ≒ 東京電力エナジーパートナーの供給エリア」ということを覚えておきましょう。
東京電力エナジーパートナーとの料金単価の比較
下の写真は、東京電力エナジーパートナーの検針票です。写真の検針票 は30Aですが、赤枠内に「ご契約種別/従量電灯B」と「ご契約/60A」と記載されていますので、まずは確認してみましょう。

上記写真の内訳からも読み取れますが、電気料金は、「基本料金」+「電力量料金」±「燃料費調整額」+「再エネ発電賦課金」の4項目の合計で計算されます。
そこで、まず「基本料金」と「電力量料金」の比較についてです。
【50A契約】電気料金の単価比較表
電気料金 |
基本料金 | 電力量料金(1kWh) | ||
第1段階料金 | 第2段階料金 | 第3段階料金 | ||
0kWh以上120kWhまで | 120kWhを超え300kWhまで | 300kWhを超えるもの | ||
従量電灯B ▼ 標準プラン |
1,716.00円 ▼ 0円 |
19.88円 ▼ 26.0円 |
26.48円 ▼ 26.0円 |
30.57円 ▼ 26.0円 |
割引額 | -1,716円 | +6.12円 | -0.48円 | -4.57円 |
(横スライドできます)
標準プランの電力量料金は、3段階ではなく、26.0円の一律の単価です。ですが、従量電灯Bは3段階なので、比較表のように3段階で比較しています。
基本料金は、毎月支払う固定料金です。標準プランは、基本料金0円なので、従量電灯Bより当然ながら1,716円安くなっています。
電力量料金は、従量電灯Bと比べて、第1段階料金は6.12円高く、第2段階料金は0.48円安く、第3段階料金は4.57円安く設定されています。
単価の一つが高くなっているのよね...高くなってしまうの?
分かりづらいので、後でグラフと一緒に説明します。
「燃料費調整額」と「再エネ発電賦課金」 の比較
次に月毎に変動する「燃料費調整額」についてです。
東京電力エリアにおいて、 電気料金に燃料費調整額と内訳がある場合、あしたでんきだけでなく、全ての電気を小売りする会社は、東京電力エナジーパートナーと同じ燃料費調整額の単価になります。
乗り換えても、燃料費調整額の単価は同じになるのね?
電気料金に燃料費調整額を採用している場合です。
「再エネ発電賦課金」についても同じ料金単価になります。「再エネ発電賦課金」は経済産業大臣によって1年毎に決定される国策のため、東京電力エリアだけでなく、こちらは全国で同じになります。
「比較するときにどう計算すればよいか」と疑問を感じると思います。ですが、この2つの項目は単価が同じになるので、節約金額は0円になります。
この2つは節約に関係ないのね!
ただし、例外はあります。燃料費調整額ではなく、市場連動といった項目などを採用している場合です。当サイトでは、ランキングには入れず、別に取り上げて解説しています。
節約金額をグラフで見てみよう
「基本料金」+「電力量料金」±「燃料費調整額」+「再エネ発電賦課金」を合計した2社の電気料金をグラフにしてみます。
燃料費調整額と再エネ発電賦課金については、2020年3月の単価(燃料費調整額:-2.13円/kWh、再エネ発電賦課金:2.95円/kWh )で計算しています。

標準プランが下にあるんだから、安くなるんでしょ?
はい、では、乗り換えを想定して「従量電灯B」から「標準プラン」の電気料金を引いてみましょう!

横軸は、グラフ1と同様に、1ヵ月あたりの電気の使用量を表しています。縦軸は、従量電灯Bと比べたときの節約金額になっています。
グラフの特徴としては以下になります。
- 電気の使用量が極端に少ない方でも節約金額が多く発生する
- 少なくても月982円の節約金額を下回ることはない
- 300kWh以上といった電気の使用量が多い家庭ほど節約金額が急激に増加していく
単価のある範囲が高かったので、どうなるか分からなかったと思いますが、グラフを見て分かるように必ず電気料金は安くなります。また、電気を多く使用する家庭ほど節約金額が多く発生します。
電気を多く使っても、節約金額はどんどん増えるのね!
ちょっと待ってください! よし子さんの家庭の検針票を見てください。
最も重要な判断基準の一つ
電気料金や単価の比較に重点を置かれると思いますが、「電気の使用量」が最も重要になります。
「電気の使用量」を把握できて、やっと比較や節約金額が計算できます。
「電気の使用量」 は下の写真の赤枠内に記載されています。

再度、グラフ2を掲載します。 よし子さんの「ご使用量」がどこに当てはまるか見てみましょう。

600kWhだから、月に2,439円も節約になるのね!
ちょっと待ってください! 何月の検針票で見ましたか?
違うのーッ?
電気の使用量は一定ではなく、夏の暑い季節や寒い季節などは特に多くなります。逆に、春、秋には電気をあまり使いません。そのため、たった1枚の検針票では、自分の生活スタイルによる電気の使用量を捉えることはできません。
ですので、1年間分の電気使用量の平均値で考える必要があります。12枚の検針票の「ご使用量」を足して、12で割った数値です。
1年間分の「ご使用量」の平均値が自分の生活スタイルとなる電気の使用量になります。
そう言われてみると...そうよね~?
その電気の使用量によって各電力会社の節約金額が変わってくるので、比較するとき重要ですよ。
節約金額をシミュレーションしてみよう
グラフ2は拡大しても見にくかったと思いますので、以下のシミュレーションで節約金額を確かめてください。
「燃料費調整額」は1年間分、「再エネ発電賦課金」は2年間分を掲載し、順次更新していきます。
節約したお金でお財布、買おっかな!
1年間、毎月、メモしておけば、節約金額を把握できますよ。
節約金額の計算例
よし子さんの節約金額の計算例をご覧になって、あなたの節約金額に当てはめながら確認していってください。
・1年間:
12ヵ月×2,439円/1ヵ月節約金額=29,268円
・4年間:
4年間×29,268円/1年間節約金額=117,072円
・10年間:
10年間×29,268円/1年間節約金額=292,680円
1ヵ月でも約2千5百円の節約になりますが、電気料金は一生支払い続けるものです。また、大学生なら4年間は支払い続けるでしょう。長期的に1年間、4年間、10年間とみれば、節約金額はかなり大きな金額になっていくことが分かります。
1年間で、約3万円も節約になるの!!
12ヵ月分を平均した使用量で計算しているので、12を掛ければ、実際の1年間分の節約金額に近い値になります。
申し込み、支払方法、 引っ越しで気になる解約金等について
以下の表は、申し込み時に必要なもの、支払い方法などをまとめた表になります。
【準備するもの】 | 【支払い方法】 |
・電気の検針票 (新規契約は不要) ・郵便番号、住所 ・メールアドレス ・電話番号 ・使用開始の年月日 |
・クレジットカード のみ |
【解約金】 | 【その他】 |
・解約金なし | ・スマートメーター 設置無償 ・契約事務手数料なし |
まとめ
ここでは節約金額を理解しながら、シミュレーションできたのではないかと思います。
「基本料金0円、料金単価が一律」の料金プランを打ち出している電力会社では、トップクラスの安さです。
付帯サービスもなく、支払い方法も1種類に限定されています。これらのことも反映されて安くなっているのでしょう。
評判や口コミは不要です。あなたの使用量が基準になるのです。
当サイトとしても、ポイントなどの紛らわしさがなく、シンプルな料金体系で理解しやすいので、おすすめの料金プランです。
しかしながら、「あしたでんき」と聞いて、「企業名?何?」と思った人は多かったのではないでしょうか。ですので、「あしたでんき」のサービスを提供しているTRENDE株式会社について、会社概要をまとめてみました。
TRENDE(トレンディ)株式会社は、2018年3月に東京電力ホールディングス株式会社から立ち上がったベンチャー企業です。TRENDE株式会社が電力小売サービスとして提供するのがここで取り上げた「あしたでんき」になります。
また、太陽光発電システムを無料提供して、電気料金を割り引くサービス「ほっとでんき」も提供しています。
さらに、東京大学、トヨタ自動車とともに、次世代電力システムの共同実証実験も進めています。

ただ電力を販売する会社ではありません。再生可能エネルギーを活用し、持続可能な社会を目指しています。
再生可能エネルギーを宣伝文句としている企業はあっても、一味違った企業スタイルです。「あしたでんき」と契約すれば、私たちは安く調達できた電気で生活しながらも、こういった企業を応援できるのです。
私たちの生活がそのまま未来のエネルギー社会へとつながる一押しの電気料金プランです。